■漢方の診断とは


○○病と断定的に判断する診断とは異なり、漢方の診断は『証』で示される

『証』とは
「患者が現時点で現している症状を気血水・陰陽・虚実・寒熱・表裏などの基本概念をとおして認識し、さらに病態の特異性を示す症候をとらえた結果を総合して得られる診断であり、治療の指示」である

(具体例)
感染症の初期で発熱があるものの自然発汗がなく、脈が充実して、悪寒を訴えている場合、太陽病期で実のカテゴリーと診断される。
このカテゴリーに分類される漢方薬は大青龍湯、麻黄湯、葛根湯があるため、鑑別しなければならない。ここで重要となるのが特異性を示す症候の有無となる。
大青龍湯は精神不穏、麻黄湯は喘鳴や関節痛、葛根湯は項背部(うなじ周辺)の筋緊張である。
患者が項背部のこりを示していれば葛根湯が選択される。この場合の証は「太陽病の実の病態で葛根湯が第一選択となる病態」と表現され、慣用的に“葛根湯証”とされる。 


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